近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力』が人気を博している。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちをこれまで1万人以上指導してきた本多氏の仕事に対する考え方をオリジナル記事としてお届けする。

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頭の回転が速い人の習慣

 皆さんのまわりに「頭の回転が速い人」はいますでしょうか。こういった人はどんな職場でも重宝されます。

 そんな頭の回転が速い人が必ず身についている習慣があります。それは「忘れる習慣」です。どういうことか見ていきましょう。

 皆さんは、仕事でミスをしたり、嫌なことを言われた経験がありますか?「まったくない」と答える人はいないと思います。仕事をしていれば誰もが嫌なことは経験するものです。

 ただ、頭の回転が速い人はこういったときに「嫌なこと」を忘れるまでの速度が異常に速いのです。仕事でミスをしたとしても3分後には何気ない顔で仕事に戻っていますし、嫌なことを言われてもランチから戻ればケロッとした様子でやるべきことに取り組みます。

 もちろん、それは完全に記憶から消去しているわけではありませんが、頭の回転が速い人は、半ば強制的にネガティブなことを考えないようにするのです。

 そのようにする理由は単純で、「ネガティブを引きずると、思考のスピードが落ちるから」です。

 たとえば、ミスのことを引きずっているうちに、またミスをしてしまったなんてことが皆さんにも一度はあるのではないでしょうか。私は何度もあります。そんな事態を防ぐために、頭の回転が速い人は「ミスを忘れる」ように努力しているのです。

 実はこの能力は、普通の芸人が「売れっ子芸人」になるまでに必ず身につける能力でもあります。