一般に地形の断面図を作成する場合、距離と高さを1対1にすると凹凸がわかりにくいため、高さを何倍かに誇張して表現するのは戦前からの常識だ。それを知らなかったというのだから、「地図好きな一般人」より地図に親しんでいなかったようである。

 自衛隊には当然ながら地図情報に関する専門組織もあるが、その部署に相談することもなく発表してしまったのはお粗末だ。これでは「結論ありき」と批判されても仕方がない。考えたくはないけれど、イザ「本番」という時に大丈夫かどうか心配になる。

アメリカ国防総省レベルの情報
地図好きも関心するグーグルマップ

 この1件は、それだけみんながグーグルの地図を身近に使っている証拠であるが、今や誰もが待ち合わせ場所や宴会場の位置を知らせるのに、この図を添付するのは当たり前になった。グーグルマップが出始めた頃、私はパソコン画面を航空写真モードにして、世界中を眺めては楽しんでいた。これをやっていると時間がいくらあっても足りない。

 最初の頃は地図も航空写真も縮尺にだいぶ制約があって、ぼんやりとしか見られない場所が多く、詳細が見られるアメリカ合衆国内でもホワイトハウスは建物の一部に目隠しの「色塗り」が施されていたり、連邦議会の議事堂にはモザイクがかかっていたりした。