プライバシー保護のため表札や顔におおむねボカシは入っているものの、戸建ての家は全部丸見えで、門構えから庭に置かれた自転車やプランターなどなど、詳細がすべて撮影されている。ある時、自宅2階のベランダにいたらすぐ下をグーグルカーが通り過ぎた。その後ストリートビューを閲覧した際、目のあたりにボカシの入ったTシャツ姿の怪しい男がアップされていたのは言うまでもない。

 あまり知られていないが、日本ではすでに撮影が何巡目かに入っており、左上の「ストリートビュー○月○年」とある部分をクリックすると撮影年を選べる。ちなみに拙宅は2010年2月、14年4月、15年5月、17年6月、18年6月、19年5月、21年10月、23年1月と8回も撮影された。最近になって家が新築された近所の土地も、日付を遡ればそこが畑だった頃を眺めることができる。

 これは実際にグーグルの社員の方にお聞きしたことだが、ヒントは東日本大震災の被災地の声だったという。津波で流される前の商店街の様子をボランティアが印刷して地元の人たちに配ったところ好評で、何年かおきに撮影した画像をすべて閲覧可能にした。