サイコパス傾向の人は、殺人を犯すこともありますが、その犯行にも特徴があります。彼らは、怒りなどによる衝動的な犯罪は少なく、殺人を手段として用いて何かを行う、道具的な犯罪が多いのです。

 サイコパス傾向は、悪の人格のように思われますが、つねに冷静でリスキーな行動をいとわないことから、勇敢な消防士やイノベーター、救急救命医などとして活躍している人も少なくありません。

ゲームやアニメの影響で暴力的になるって本当?

 サスペンスものやアクションものなど、暴力的なシーンが多く含まれる映画やアニメは人気があります。そのような映像は、見る人の心理にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 それには、ふたつの説が考えられています。ひとつは「観察学習説」です。これは、暴力的な映像を見るとその行動を学習してしまい、同じような行動の動機づけになるというものです。

 そしてもうひとつは「カタルシス説」です。こちらは、観察学習説とは逆に暴力的な映像を見ることによって、気持ちが晴れ、暴力行為は抑制されるという考えです。

 多くの実験が行われてきましたが、現在のところ、カタルシス説を支持する結果は極めて少なく、観察学習説が多く支持されています。

 暴力映像に関して、近年とくに問題となっているのが、暴力ゲームの影響です。暴力ゲームは、自らが主人公となって、敵やゾンビなどを倒していきます。この際、プレーヤーが自発的な行動をとり変化が現れるとその行動が増加していくという「オペラント条件づけ」が起こり、観察学習効果がより強く出てしまうというのです。

 ただし、だからといって暴力映像や暴力ゲームを規制すればよいということにはなりません。歴史的にそれが広く受け入れられてきた以上、なんらかの有益な役割もあるはずだからです。