部下の進捗が思わしくないとき、「何か困っていることはある?」と声をかけるだけで終わってしまっていないだろうか。上司に求められる関与は、もう一歩先にある。

オープンクエスチョンの丸投げでは、障害は取り除けない
進捗が「黄」や「赤」になっているとき、
多くの上司がとるアプローチは「何かできることはないか?」というオープンな問いかけだ。
部下の状況を確認しようとする姿勢自体は間違っていないが、
この問いかけだけでは、実際の障害を取り除くことにつながらないことが多い。
「何かできることはないか?」と聞かれた部下は、
自分で問題を言語化し、解決策まで考えて提案しなければならない。
しかし、その余裕がないからこそ進捗が滞っているのだ。
部下に答えを委ねる問いかけは、善意からであっても、
結果として状況を変えられないことがある。
上司が具体的な提案をすることが、肝になる
「障害になっていることは○○か○○という可能性はないか? 私が関与すれば、○○という形で問題を解決できるが、どうか?」
「何かできることはないか?」という丸投げのオープンクエスチョンではなく、上司が自ら具体的な提案をすることが肝になります。
「他部署の連携が遅れています」
→「私が部長に電話してプッシュしておこう」
「予算が足りなくてツールが買えません」
→「私が決裁を通すから、すぐに申請して」
「通常業務が多すぎて時間が取れません」
→「通常業務の○○の部分はAさんは今月やらなくていい。私が責任を持って対応するので、今の課題解決に注力してほしい」
これが、上司の仕事です。上司の価値は、権限を使って部下の目の前にある岩(障害)をどかし、業務をスムーズに進める「支援者」になることです。
進捗が滞っているとき、上司がすべきことは問いかけではなく、具体的な提案だ。
「障害になっていることは○○か○○という可能性はないか。
私が関与すれば○○という形で解決できるが、どうか」――
このように、障害の見当をつけたうえで、自分が何をできるかをセットで示す。
具体的なやり取りとして示されているのは、次のような形だ。
他部署の連携が遅れているなら「私が部長に電話してプッシュする」、
予算が不足しているなら「私が決裁を通すから申請して」、
通常業務が多すぎるなら「その部分は今月やらなくていい。私が対応する」――
いずれも、上司が自分の権限を使って障害を取り除く動きだ。
上司の価値は「岩をどかすこと」にある
上司の価値は、権限を使って部下の目の前にある障害をどかし、
業務をスムーズに進める「支援者」になることだとされている。
部下に指示を出すことや、成果を管理することだけが上司の仕事ではない。
部下が前に進めない理由を見つけ、それを取り除くために動くことが、
上司という役割の本質的な価値になる。
部下が黙って抱え込んでいる障害は、
「何かある?」という漠然とした問いでは出てきにくい。
上司の側が仮説を持って「こういう問題が起きていないか」と具体的に問いかけ、
「それなら私がこうする」と即座に動ける準備をしていることが、
部下にとって最も頼りになる上司の姿だ。
進捗が滞っている部下に声をかけるとき、「何かある?」ではなく「○○が障害になっていないか? 私は動けるが」と具体的に伝えることだけでいい。
(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)



