2023年度の医療費概算
健康保険証の廃止が迫っている。12月2日以降、新規の健康保険証は発行されなくなるが、マイナンバーカードへの抵抗感からか、カードのトラブルが絶えないといったネガティブな話題で溢れている。しかし、健康保険証の廃止において見逃してはならない深刻なテーマは、増大する医療費の問題だ。
9月3日に公表された厚生労働省の「医療費の動向」によれば、2023年度の医療費は概算で47.3兆円だった。この数字は24年度の医療費42.8兆円(予算ベース)を上回っている。
医療費を含むわが国の社会保障給付費は年々増え続け、24年度予算ベースで137兆円超、GDP比22.4%に達している。さらに、団塊の世代が後期高齢者へ突入し、医療費はさらに増える見込みだ。