そんな仏教の危機にあらわれたのが、インドのひろゆき、龍樹である。
龍樹は天才であったが、あたまでっかちではなかった。黒歴史をへて、仏教の道にはいったのだ。
「人間性おわってても、変われる」ということを身をもって体現したのである。
そして、700年間の議論のすべてを「くだらねぇ言葉遊び」と論破し、衝撃の結論にいたる。
龍樹によって、200巻のボリュームになっていたブッダの教えは、わずか1文字になったのだ。ひ…ひともじ…そんな減る!?
「空(くう)」である。
この世界はすべて「空」である。
龍樹によって、仏教は、超シンプルな教えになり、誰でもだいじょうぶな仏教、その名も「だいじょう仏教」(大乗仏教)として、大復活をとげた。
龍樹のおかげで、仏教は世界宗教になる。日本の仏教も、ほぼぜんぶ大乗仏教である。
その「空」とはいったい何なのか?