「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から足腰の健康に役立つ自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
股関節をほぐしておくと老後は安心
65歳以上の要介護者のうち「介護が必要となったおもな要因」は、転倒や骨折が全体の13パーセントを占めるそうです(内閣府令和3年版高齢社会白書)。
こんな数字を目の当たりにすると、「自分は大丈夫」と思っていても不安になるもの。
骨折でよく耳にするのは、ちょっとした段差でつまずくケース。おもな原因は股関節の可動域の狭さや硬さなど。加齢、座りっぱなし、運動不足などが考えられます。
股関節の硬さは、家の中のちょっとした動きでもわかります。
・じゅうたんの端につま先を引っ掛けてしまう
・スリッパを履いて歩くとき歩幅が狭く、かかとで歩いている(すり足)
この2つはつまずき転倒しやすい典型的なサイン。
股関節が硬く、体幹も弱く、体全体のバランス維持能力も弱くなっているはずです。
転倒・骨折予防のためにも、日ごろから股関節をやわらかくほぐし、体幹を強化する習慣は大切です。
次の2つの自力整体は、股関節の可動域を広げ、転倒防止や大腿骨の骨折予防に役立ちます。
両方やっても1分もかかりません。
老後の安心のためにも取り入れてみてください。
腰痛や便秘解消など、様々な痛みや不調にも役立ちます。
ワークは次のとおりです。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗