10年使えるミキサーより、毎日売れるハンバーガーを!

 店内を見学させてもらったクロックはその手法とシステムにさらに驚愕する。マクドナルド兄弟は独自のシステムを開発することによって、調理手順の無駄をいっさい無くしていたのである。しかも店は清潔でハンバーガーの味は言うに及ばず、低価格を実現している。

「これがビジネスにならないわけがない」

 そう直感したクロックはこの店を全国に広めたいと直感した。彼らの店舗が増えれば増えるほどより多くのミキサーを仕入れてもらえると算段したからだ。

 マクドナルド兄弟にチェーン展開の予定はないのかと聞くと、ちょうど彼らもフランチャイズ化を考え始めているということだった。だが、全国展開をしてくれる代理人が見つからないという。

 そこでクロックは気がつく。「一度売ったミキサーは10年間近く使える。その後の買い替えは当分起きない。だが、ハンバーガーは違う。毎日飛ぶように売れていく!」

 ならばと、クロックは即座に自らが兄弟の代理人となってフランチャイズを展開したいと申し出た。先行きが案じられるミキサーの販売よりハンバーガーに将来性を感じたのだ。