「質疑応答」の時間が設けられる理由

 まずは、大人数の会議の場で質問を受け付けることの意味を理解することが大前提です。あなたはなぜだと思うでしょうか。質問は個別でメール等で受け付けることもできるはずです。

 会議で質問を受け付ける意味は大きく2つあります。

 1つ目は効率性です。先ほど述べた通り、個別でメールを受け付けるという方法もありますが、いわゆるよくある質問をわざわざ受け付けていたら開催者側の負担になってしまいます。したがって、よくありそうな質問はその場で誰かに発言してもらって解決しておいた方がいいのです。
 2つ目は開催者側の狙いの周知です。質問の中には、開催者側の提示したアジェンダの中でも気になる部分を深掘りするような内容も多いです。こういった質問に対する回答が大人数の場でシェアされることで、開催者側がなぜこういった会議を設けているのか、これからどういったことを目指しているのかといったゴールイメージが明確になります。

「相手の意図」を汲んだ質問をしよう

 1つ目、2つ目に共通しているのは、いずれも、個別の対応ではなく、大人数での会議であるからこそメリットがある、という点です。

 つまり「時間のロスを最小化して効率性を高めるとともに、開催者の狙いを周知する」というのが、開催する側が達成したいミッションなのです。

 職場でうまく立ち回る人は、以上のような意図を理解したうえで質問をしています。

 たとえば「今回の説明会を通じて、僕達が次にするべきアクションと、それによって皆さんが達成したい目標があれば教えてください」というように聞いてみるとどうでしょうか。開催者にとって非常に好都合な質問になっていますよね。

 さらに追加のメリットがあります。それは、「相手がどのように見られたいと思っているか」を理解して質問をすることで、自分の評価が相対的に高まることです。ちょっとした質問で自分の評価が上がるのであれば、やっておいて損することはないでしょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部に、加筆・編集を加えた原稿です)