トヨタ自動車やソニーグループなど8社が出資して2022年に設立したラピダスが、半導体製造に伴う本州からの部材調達ルートとして108ルートを設定している。NIPPON EXPRESSグループはこのうち94ルートと太宗を担い、ラピダスの調達サプライチェーンの“命脈”を支えることになる。(カーゴニュース編集部)
恵庭の「半導体」倉庫
本州発部材の門前倉庫に
NIPPON EXPRESSホールディングス(本社・東京都千代田区、堀切智社長)が、北海道で準備を進める半導体物流サービスの体制が整ってきた。8月には先端ロジック半導体を製造するRapidus(ラピダス)向け納入部材の“門前倉庫”となる「NX-TECT Hokkaido」が恵庭市に稼働。また、苫小牧港の港頭地区に整備する危険物倉庫も、来夏の稼働に向けて建設工事が始まっている。
NXHD傘下の日本通運は、ラピダスから本州発部材輸送の「取りまとめ業社」の1社に指定されている。これを受け同社は、本州に3カ所の中継ターミナルを設定し、国内サプライヤーからの部材を集約して北海道向けに輸送する。中継ターミナルは山口県岩国市にある日通の大竹ターミナル、三重県亀山市のエア・ウォーターグループの拠点、横浜・大黒町のNRSの危険物倉庫の3拠点。
輸送方法は、サステナビリティを重視するラピダスの方針もあり、鉄道輸送と内航輸送の二つ。このうち鉄道ルートは、危険物を積載した列車は青函トンネルを通行できないため、ウエハーなどの一般貨物が中心となり、溶剤などの危険物や高圧ガス類は海上ルートで運ばれる。