「5歳までの語彙力が人生を変える!」和田秀樹さんが力説するワケ家でゆっくり話してくれる親とは違い、集団での学習では、言葉の意味を理解できない子や言葉で伝えるのが苦手な子は取り残されることがある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

受験学習法・幼児教育のプロである和田秀樹さんは「5歳までの語彙力が人生を変える!」と言います。9歳の壁との関係とは?和田さんの著書『5歳の壁 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』(小学館)から子どもの語彙力を家庭で伸ばす方法を抜粋して紹介します。

語彙を知ることから
芽生える子どもの知的好奇心

 読解力はどの教科でも必要になりますが、そもそも読解力というのはどんな力を指すのでしょうか。

 この読解力を鍛えると何がいいのかを考えてみましょう。

 OECD(経済協力開発機構)が実施している国際学習到達度調査(PISA)は義務教育終了段階の15歳を対象に行う学力テストです。その中で、読解力、テキストを理解する力、そうした情報を利用して熟考する能力、図表のような非連続型テキストを幅広く読み取る力などを調査しています。

 読解力というのは単に文章を読む力だけを指すのではありません。

 文章を読んで、結論や本質を理解する力や、人の言いたいことや思いを汲く み取る力、社会で起きていることを読み取る力、物事の因果関係を読み取る力、人間関係を読み取る力、必要な情報と不要な情報を見極める力、自分の言いたいことを簡潔にまとめて表現する力なども指します。