ネット社会では常日頃起きていると言っても過言ではない、炎上騒ぎ。堀江貴文氏によれば「日本語を読めても理解ができない日本人のせいでSNSが炎上する」と指摘する。その実例を端的に表すのは、文章読解力を測る単純な4択問題に、なんと進学校の高校生3分の1もが誤答したという悲惨な現実だ。論理ではなく感情で文面を読み取り、過剰反応する日本人の危うさに堀江氏が警鐘を鳴らす。堀江貴文『ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです。
日本語を「理解」できない
日本人が多いという問題
日本人の識字率はほぼ100%だ。ほとんどの日本人が日本語を読むことができる。しかし、「文章を読めること」と「文章を理解すること」は別だ。
行間、文脈を汲み取る。皮肉、逆説、比喩表現を適切に解釈する。それが文章を理解するということだ。いわゆる読解力である。しかしいまの日本人の読解力はかなり怪しい。
たとえば、私のSNS投稿に対してあまりにも的外れな批判が相次ぐのだ。なにもその投稿は小難しい理屈をこねているわけではない。いたってシンプルな記述だ。それなのに文意を完全に取り違えた批判が寄せられる。
批判自体はいくらでも大歓迎だ。思想と表現の自由である。でも明後日の方向にボールを返されても困る。反応のしようがない。
日本語は読める。でも理解はできない。そんな日本人が少なくないのだ。実はそれはデータでも明らかになっている。『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(新井紀子/東洋経済新報社)に興味深い調査結果が載っていた。