ダメな子どもがいるのではなく
うまく教えられない親がいる
怒るのであれば、「こちらのやり方が悪かった」「こんな小さな子に無理な方法を押し付けてしまった」と、自分に対して怒るべきです。子どものせいにしていては何も解決しないどころか、子どもの劣等感を高めてしまうだけです。
私は、基本的にダメな子どもというのはいないと思っています。
ダメな子どもがいるのではなく、うまく教えられない親がいるだけです。
そして、常に忘れてはいけないのは、子どもは一人ひとり違うということです。もちろん兄弟姉妹でもまったく異なることもあります。
それぞれの理解に個人差があるのに、教え方がそれに対応していないと、子どもは勉強がわからなくなり、嫌いになってしまいます。
ですから、幼児教育の塾で聞いたことや教育本で知ったメソッドでも、「これさえやっておけば大丈夫」というものはありません。
たとえば、本書では佐藤ママ(佐藤亮子さん)のお名前を何度か出していますが、彼女は私の本も含めて勉強法の本を100冊以上読み、その中から4人のお子さんそれぞれに合いそうな方法を試行錯誤しながら採用していたそうです。
佐藤さんご自身も教育本を出されていますので、それを読んで、その中で言っていることをそのままマニュアルにしようと考える親御さんもいるかもしれませんが、大事なのは本質的な部分を参考にするということです。
たとえば、たくさんの本を読んでその中から我が子に合う方法だけを選ぶという主体性や、子どもに適切な方法が見つかるまで探すという探求心、子どもにとことん向き合う姿勢、子どもを本気で信じて支える覚悟など、佐藤ママから学べるものはたくさんあります。
しかし、彼女が自分の子どもに対して行ったことを、そのまま我が子に当てはめようとしてもうまくいくとは限りません。
いろいろな情報源から、うちの子に合いそうだと思ったやり方や考え方などを参考にして試行錯誤することが大事です。