親から見れば物足りなく思えたとしても、子どもにしてみれば、一つも書けなかった状態から五つも字が書けるようになったのです。子どもが一生懸命やったからこそ、ここまで到達できたのだと、その努力を讃(たた)えてあげましょう。
また、以前と比べて読み書きなどができるようになっていたら、「今週はここまでできたね。どんどんできるようになっているね」と子どもの進捗具合を認めてあげましょう。
勉強と不快情報が
結びついた子どもは
子どもに限らず、多くの人は誰かから認められ、褒められることで意欲が上がります。
小さな子どもにとっては特に、頑張って字が書けるようになったらお母さんが喜んでくれた、お父さんが自分を認めてくれたということが、嬉しい気持ち(快情動)につながり、勉強することが好きになっていきます。そして親をもっと喜ばせたいと思って、さらに頑張るようになります。この時期の勉強というのは意外にも子どもにとって辛いものとは限らず、「快体験」につながることも多いのです。
しかし、子どもができないからといって親が感情的に怒ったり焦ったりすると、勉強と不快情報が結びついてしまい、子どもは勉強嫌いや勉強が苦手になってしまいます。ですから、ぜひ子どもの頑張りを認めて、どんどん褒めて伸ばしてあげてください。
そのためには、日頃から子どもをよく観察して、子どもができるようになったこと、頑張っていることを探してあげることが大事です。
別に、読み書きや計算ができなくてもいいのです。
「今日は、言葉を1つ覚えられたね」
「そんな難しい言葉を使えるなんて、大人っぽいね」
「お話をよく聞けたね」
「今日は2冊も本を読んだね」
「わかりやすくお話しできたね」
「自分から字を書こうとするなんて、すごいね」
どんなことでもいいから、子どもが頑張っているところ、努力しているところ、前よりもできるようになったところに注目して褒めることです。
それによって子どもが自信を持てるようになれば、学ぶことが楽しくなり、自分からいろいろなことに挑戦してみようと思うようになるはずです。