そう考えた僕は、次の新学期から、自分について説明する時間を3分間だけもらえないかと、各講義の担当の先生にお願いすることにしたのです。
そして、各講義の学期最初の授業で、次のような挨拶を繰り返しました。
「皆さんはじめまして!酒井といいます。突然ですが、僕はトゥレット症という病気を持っています。授業中に自分の意思とは関係なく身体が動いてしまったり、大きな声を出してしまったりすることがあります。もしかしたらびっくりさせてしまうかもしれません。
自分でも迷惑をかけているのはわかっているので、気になることがあれば遠慮なく僕に言ってください!もし言いづらいことがあれば、担当の先生に言ってくれてもかまいません。でも、こういう風に普通に話すこともできるので、もしよければ一緒に授業を受けてくれると嬉しいです!」
新しい講義が始まるときは、知らない人もいるだろうからと、いつも同じように冒頭で挨拶をさせてもらいました。教授のマイクを片手にしゃべるのは緊張しましたが、回を重ねるにつれて、自分を説明することに慣れていったように思います。