僕の通っていた桜美林大学は門戸が広く、学生数は1万人を超える大きな大学です。大学側の体制は整っていて、本当にすばらしい大学ですが、学生数が多いということは、逆に言えば非常にさまざまな人がいるとも言えます。
もちろん大半の学生はそうではありませんでしたが、なかには、高校時代までとは違い、僕が自分の病気のことを伝えても、うまく理解してくれない人にでくわすという事態も多々経験しました。
たとえば、僕は高校時代に先生と交渉して授業から外れやすく、みんなの邪魔になりにくい「指定席」を用意してもらっていましたが、大学でもそれと同じような対応をしてもらっていました。
しかし、あるときなどは、その席に知らない男子生徒が座っていたので、「実は僕はこういう病気があるので、この席を譲ってほしいんだけど」と伝えると、なんと鼻で笑われてしまったのです。
そんな嘘のような目に遭うと、率直に「こんな人もいるのか!」と驚きました。いまから振り返ると、高校のころまでに出会った同級生たちを念頭に置いていたので、「病気のことを伝えれば、ある程度は相手の人にもわかってもらえるものだ」と僕のほうでも思い込んでいたのだと思います。