「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から老化予防に役立つ自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
「腎」の気が低下すると老化が進む?
私たちは歳を重ねていくと、体の各所に「痛み」が出やすくなります。
もちろん個人差はありますが、加齢による保水能力の低下、潤いを保つはたらきの低下により、全身の関節の潤滑油が減少。骨粗鬆症や腰椎の圧迫骨折、変形性ひざ関節症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどのリスクが高まります。
わかりやすいのは、水を飲んでも水分が膀胱に直行、トイレが近くなるばかりで、細胞が水を吸収・保管する能力が低下してきたとき。皮膚や筋肉の弾力も低下して、目の下のたるみやほうれい線も深くなっていきます。
しかし、これは何も手を打たなかった場合の話。
東洋医学では、うるおいをとりもどす治療には「腎」を補います。「腎」は保水能力を握っており、うるおいを保つはたらきをするからです。
「腎」の気が低下すると、腰痛やひざ痛などが現れ、老化の症状も進むとされています。
「腎経」の滞りを解消するのが若返りの秘訣
この考えのもと、自力整体ではうるおいをとりもどすとき腎経(じんけい※図は後半)を刺激していきます。
腎経とは、私たちの体を流れる約12本の経絡(「気」が流れる川のようなもの)の1つ。潤いに関係しています。
この腎経が滞ると、老化、骨粗鬆症、毛髪の弱り、脱毛、白髪、冷え、むくみ、腰痛、不妊などの症状が出やすくなります。
ですから、腎経の滞りを解消するのが若返りの秘訣。
ぜひ今日から「腎経の刺激」を習慣にしてみてください(※ワークは後半)。
腎経の刺激は骨の健康にも役立つので、骨密度の減少による顔の老化予防、たとえばほうれい線、マリオネットライン、ゴルゴラインといった老け見えの予防にも役立ちます。
最後に腎経を刺激する自力整体「足先ほぐし」のワークを紹介しましょう。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗