レジを操作する女性写真はイメージです Photo:PIXTA

日本人は「ガラパゴス」と呼ばれるくらい日本独自の基準で生きている。その結果、生産性が下がり、経済の衰退を招いているともいえるだろう。では海外はどうなのか?45年間にわたりウォルト・ディズニー・ジャパン、日本マクドナルドなどトップ外資系企業を渡り歩いた著者が、アメリカを例にグローバルスタンダードの効率的な考え方を解説する。※本稿は、中澤一雄『ディズニーとマクドナルドに学んだ最強のマネジメント』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。

効率重視のアメリカでは
40年前から置き配が当たり前

 日本では、宅配便を届けに来た時に、受取人かその家族が留守だと「再配達」をするのが当たり前になっています。

 ところが、この再配達という作業はとても非効率的なのです。従業員の労働量が増えるだけでなく、受取人も再配達の申し込みをしなければならないのでストレスがたまる一方です。

 一方、アメリカには再配達というシステムは存在しません。なぜなら、アメリカでは40年前から「置き配」が当たり前だからです。

 皆さんもテレビやYouTubeなどで、アメリカの配達員が玄関ドア前に荷物を置いてそのまま歩き去る姿を見たことがあるでしょう。日本よりもはるかに治安が悪いアメリカで、置き配がスタンダードになっているのです。多くの日本人は「盗まれたらどうするの?」と首をかしげるかもしれません。

 なぜ、アメリカは日本よりも治安が悪いのに置き配が当たり前なのでしょう。

 実はカタログ販売の荷物というのは、ほとんどが5000円未満の商品だということが、統計的にわかっています。そのため、万が一受取人が回収する前に盗まれる商品があったとしても、その盗まれた商品の損失は宅配業者が支払っている保険金でまかなえる範囲に収まっているのです。