一方、対面受け渡しと再配達というシステムを採用したら、当然ながら人件費は高騰します。アメリカ人は、損失するリスクと、対面受け取り・再配達にかかる人件費を天秤にかけた結果、置き配が最も効率的であるという結論に至ったわけです。

「きっちり」「かっちり」を求める日本人は、効率性を度外視していると私は思います。現在では、コロナ禍の影響もあって、次第に日本でも置き配が普及しつつありますが、もしコロナ騒動がなかったら、いまだに置き配普及率はかなり低かったのではないかと思います。

「レジの現金差」の原因追及は
余計な人件費と時間がかかるだけ

 アメリカ人(その他の欧米人も)の効率性重視の姿勢が表れている例としては、「レジの現金差の処理」があります。

 日本では、店舗が閉店すると、レジに入っている店の売上の計算をします。実際の売上額と入金額の差を計算するわけです。

 50万円の売上があったはずなのに、レジに49万9500円しか入っておらず、500円不足していた場合、日本の店舗では「お金が見つかるまで従業員は居残り」をさせられます。