「闇バイト」による強盗などの事件が後をたたない。逮捕者の多くは、10~20代の若者で、なかには14歳の中学生もいた。もはや「うちの子だけは大丈夫」とは言いきれないほど「闇バイト」の魔の手は“ふつうの子ども”にも迫りつつある。
子どもを犯罪にかかわらせないために、親は何をどう伝えればよいのか? そんな難問にこたえる書籍が、池上彰総監修『いのちをまもる図鑑』(ダイヤモンド社)だ。自然災害やケガ、危険生物など、あらゆる身の回りの危険から身を守る方法を網羅した本書だが、なかでも反響が大きいのが「犯罪からいのちを守る」の章。
「親が説明しづらい情報がまとまっている!」「子どもが自ら進んで読んでくれる」「大人でもためになった」といった感想が多数寄せられている。
今回の記事では、『いのちをまもる図鑑』のなかから「闇バイトに応募するとどうなる?」の項を特別に紹介する。
(構成/ダイヤモンド社・金井弓子)

「闇バイトにだまされた人」の悲惨すぎる末路【どうすれば助かる?】『いのちをまもる図鑑』本文より イラスト:室木おすし
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「闇バイト」に応募すると、どうなってしまうのか?

 闇バイトというのは、バイトとは名ばかりの「犯罪」です。
 SNSで「楽してかせげる」「高収入」「即日大金」といった甘い言葉につられて応募すると、とんでもない目にあいます
「引越し作業」と言われて当日現場に行ったら、知らない人といっしょにお年寄りの家に強盗に入る仕事だった……という事件もありました。

報酬はもらえない。しかも逮捕される

 闇バイトは犯罪組織の捨て駒としてあつかわれ、お金がもらえないどころか、すぐに警察につかまります。

「ホワイト案件」にだまされないで!

 犯罪者は、かんたんにうそをつきます。「クリーンです」「大丈夫」といった何の根拠もないうそを信じると、言葉たくみに名前や住所、通っている学校、家族の情報を聞き出され、個人情報をにぎられてしまいます。
 そして「やばい」と気づいてにげだそうとすると「家に行くぞ」などとおどされ、にげられなくなってしまうのです。

犯罪にまきこまれたら、どうすればいい?

 もし犯罪にまきこまれたら、まずは、勇気を出しておうちの人に正直に打ち明けましょう。
 緊急なら110番に通報。犯罪にさそわれて困っているなど、相談がしたい場合は、各都道府県警察の「少年相談窓口」に連絡してみてください。

※本稿は、『いのちをまもる図鑑』(監修:池上彰、今泉忠明、国崎信江、西竜一 文:滝乃みわこ イラスト:五月女ケイ子、室木おすし マンガ:横山了一)に関連した書き下ろし記事です。

『いのちをまもる図鑑』第5章監修者
国崎信江(くにざき・のぶえ)

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表
女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。国や自治体の防災関連の委員を歴任。『10才からの防犯・防災』(永岡書店)や『おまもりえほん』(日本図書センター)などの監修もつとめる。