太陽光発電設備の世界大手、中国の隆基緑能科技(ロンジ・グリーンエナジー・テクノロジー)は現在、絶好調でも不思議はない。ロンジなど一握りの中国企業が世界の太陽光発電市場で圧倒的な地位を占めている。中国は太陽光発電ブームに沸いており、容量は今年上半期だけで100ギガワット以上増えた。ところが、中国の太陽光発電ブームは関連企業に苦境をもたらしている。ロンジの会長、鐘宝申氏(56)が昨年予想していた業界の災厄は現実のものとなり、同氏は損失を食い止めようと必死になっている。鐘氏は当時、供給過剰がやがて業界を苦しめることになるとみていた。一方、米国では他国とは異なり、太陽光パネルの価格がまだ高水準を保っている。鍾氏は米国の需要を取り込もうとしたが、地政学的な障害にぶつかった。米国で同氏は、中国の国家的野心に対する猜疑(さいぎ)の目にさらされている。
中国の太陽光ブーム、国内大手なぜ苦境
国内の競争激化 地政学的問題よそに米国での事業拡大を目指す中国ロンジ
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