この動画の意図は不明だが、奴隷のような悲惨な境遇の女性を放置してきたとして地元当局への非難が噴出した。当初から、女性は人身売買の被害者で無理やり子どもを産まされたのではないかと見られていた。
当局は火消しを試みたが
人身売買であることが判明
批判を浴びた地元当局は当初、人身売買を否定して「女性には精神疾患があり、子どもを殴ることがあった」との調査結果を公表したが、鎖などによる拘束を正当化したとしてさらなる批判を招き、当局を批判するネット世論の火に油を注いだ。
当初は「県」(市より小さい行政単位、日本の郡に近い)が調査していたが、調査を行う行政レベルは県から市へと上がり、さらに最終的には江蘇省が「党中央の指示」によって調査に乗り出した。北京冬季五輪の祝祭ムードに影響が出はじめ、火消しに躍起となったとみられるが、ネット世論が当局を動かしたともいえる。
江蘇省は、地元当局の最初の発表から数えて通算6回目の発表で、延べ4600人に及ぶ関係者への聴取やDNA鑑定などの結果として、女性は雲南省の少数民族リス族出身の小花梅さん(44)と結論づけた。
発表によれば、小さんは1998年に地元から連れ去られて3回にわたって売られた末に董氏のもとにやってきた。董氏のほか売買に関わった男女ら計9人が逮捕・拘束され、地元政府幹部ら17人が処分された。2~23歳だった子ども8人は、DNA鑑定によって女性と董氏の実子と確認された。