中学受験のプロである安田理さんに中学受験の新常識を教えてもらう連載。第4回は「学校の選び方」。「子どもの好奇心を刺激して成長を促す学校」は廊下を歩くだけでわかる。学校見学に行く前に知っておきたい学校選びの基準を紹介する。(聞き手・構成/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
「知性のある学校」が
力を入れる“意外な教科”
――安田さんは「子どもの知的好奇心を刺激する知性を教師たちが持っていないといけない」とお話しされてました。教員に知性があるかどうかをどう判断すればいいのでしょう?
知性は目に見えるものではなく、学校全体に漂っているものです。なかなか共通項や法則をお伝えすることは難しいのですが、個人的には「地学」に力を入れている学校には知性があると見ています。
実は、地学の専任教師がいて地学教室がある学校は少ないんです。地学教室がある学校はそれなりの歴史を持っていることが多い。私が知っている範囲ですが、例を挙げるならば、学習院・学習院女子・海城・成蹊・桐朋…。これらの学校には専任の地学の先生がいます。
大学受験の共通テストで地学を選択する人は、物理・化学と比べると250分の1くらいしかいません。物理・化学が苦手な場合は生物を選ぶ人が多いので、受験科目としては人気がないんです。結果、学校も積極的になりにくい科目になります。
ところが、いま地球規模で問題になっている地球温暖化などの環境問題、洪水・干ばつなどの異常気象の問題、さらには資源問題など人類が解決しなければならない課題には地学が関係していることが多くあります。特に日本は地震の多い国ですから、地学的な現象による問題には敏感でいなければならない。