働く面白さと仕事内容は全く関係がない
どんな仕事でもまず好きになってみる

 この経験を通じて、稲盛さんは仕事に面白みを覚えるかどうかは自分の心のあり方次第だということを確信します。どんな仕事でもまずは誠心誠意打ち込んでみるべきだ。そのために「仕事を好きになること、その努力をすることが大事だ」というのです。そうすると必ず何かしらの成果が出てきて、同じ仕事でも面白くなってきます。

 さらには、どんな仕事にも社会的な意義があるはずなので、それに気付くべきだと言います。そうなれば使命感も高まり、さらに仕事に打ち込めるようになります。すると、さらに大きな成果が生まれ、さらに評価されるようになるという好循環が生まれ、人生は良い方向に変わっていくというのです。

 稲盛さんは当時を振り返り、「仕事を好きになる努力をした。すると文句を言わなくなり、お陰様でと思うようになってから人生が変わった」と語っています。その経験から「最初から好きな仕事なんか世の中にはない。目の前にある仕事を好きになることが大切なんだ」と教えているのです。

 これは仕事をするうえで最も大切な姿勢でしょう。

 もし自分が希望する会社に入社できても、配属部署が希望とは違うということもあります。希望する会社の希望する職場に配属されるという幸運に恵まれても、最初は単純な下働きのような仕事から始まります。