当たり前のことですが、仕事をするということは対価として給料をもらうわけですから、最初から、面白く、楽しいはずはありません。

 稲盛さんは「働くことはつらいこと。でも、それに打ち込んでみると必ず成果が表れて、仕事に惚れることができる」と語り、「周りからかわいそうだと思われるような状況でも明るく前向きに一生懸命取り組む。そうすれば結果として人間的にも成長できる」と教えています。

 ですから、稲盛さんは「何もしないうちから面白いかどうかを決めるのではなくて、まずは本気で仕事に打ち込んでみてはどうか」とアドバイスしているのです。すると、仕事の面白さが分かってきて、好きな仕事に変わっていく。そうであれば「青い鳥」を求めて転職を繰り返すより、今ある「仕事を好きになる努力」をするほうが合理的だというわけです。

きつい、汚い、危険の3K仕事も
考え方を変えれば意義のある仕事になる

 このように、目の前にある「仕事を好きになる努力」が不可欠になるのですが、その思いを持ち続けるために必要なことは、稲盛さんがそうであったように、自分の仕事の意義や価値を見出すことです。「世の中に不要なものは何もない。すべてに価値がある」と稲盛さんが教えているように、どんな仕事にも素晴らしい意義や価値があるはずであり、それに気付くことが大切になるのです。