「あなた自身が塗装業の意義を分かってないのではないか。たとえば、15年で錆びてしまう鉄橋があったとすれば、10年おきにペンキを塗り替えることで50年持つようになるかもしれない。その意味では、塗装業は地球環境に貢献できる社会的に大きな意義のある素晴らしい仕事ではないか。まずあなた自身が自分の仕事の意義を見出し、それを誇りに思い、社員に伝えなければいけない」
私はそれを聞いて感銘を受けました。稲盛さんが言うように、世の中に意義のない仕事があるはずはありません。必ず、何かしら社会に役立っているはずです。その意義を見つけること、そして、上司はその意義を部下に伝えることが重要なのです。
「好きな仕事がしたい」を深堀りすると
じつは弱い自分に逃げているだけではないか
稲盛さんはこうも伝えています。
「努力を続けることは苦痛を伴うかもしれないが、努力の大切さ、意義を教えることで、その成果に喜びが生まれる」
それでも、どうしても今の仕事が好きになれないというときは、その理由を自問自答したらいいのではないでしょうか。自分の心の奥底を覗いてみると、「もっと楽な仕事があるはずだ」とか、「なんのために働いているのか分からない」といった答えが見つかるかもしれません。それを冷静な目で分析し、「なぜそう思うのだろう」と少し深く考えてみると、結局は、仕事の意義も価値も分からないまま、単にそこから逃げようとしているだけかもしれせん。