例えば、戦略系のコンサルティングファームでのキャリアはとても魅力的であることは間違いなく、そこに在籍しないと歩むことができないキャリアがあるのも事実です。ただし、ほとんどの人にとっては過酷で簡単には生き残ることができないことも間違いなく、必ずしもその企業に在籍する選択が最善である人は多くありません。
雇用のルールが厳しい日本において、浅い理解で企業を選ぶことは、かえって選択肢を狭める可能性もあります。在籍する企業以上に、「職種/プロジェクト」「何年在籍できるか」を意識していきましょう。
30代:自分にある/足りない能力・経験を解像度高く語ろう
最後に30代の方の場合、キャリアチェンジの難度は相当高いことを自覚する必要があります。基本的には同業界同職種転職となるため、リファラルでのつてを探すか、実績あるエージェントを探すことに時間をかける必要があります。
特に押さえなくてはいけないポイントは、残っているブランドは何か、そして補わないといけない能力や経験が何かを高い解像度で語れるようになっておくことです。20代と同じレベルでチャレンジしたい職種について語るだけでは、ほぼ間違いなく、採用はされません。30代の場合、志望動機だけではなく、現職の経験の何をどのように新しい環境で生かせるのかを語れるようにしていきましょう。
私自身、エージェントの世界においてブランドの恩恵を受けたことは多くあるため、ブランドはとても重要だと感じています。一方で、いわゆるブランドの価値は、初期接触においてでしか十分に効果を発揮しなくなりつつあるとも感じます。
さまざまな社会変化の中で、自らの意志でキャリアを形成する重要度が高くなっているからこそ、ブランドに対しての理解も深め、本当の意味でキャリアを叶えていただければ幸いです。