11月22日は「いい夫婦の日」。しかし他人同士が一緒に暮らすのですから、「いい夫婦」になるのはなかなか難しいもの。悩みをうまく解決できずに離婚に至る夫婦も珍しくありません。『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?夫婦関係を改善する「伝え方」教室』の著者で、4万件近くのトラブルを解決してきた離婚カウンセラーの岡野あつこさんに、編集部に集まったリアルな相談をぶつけてみました。第1回は「うちの妻は専業主婦なのに、家計を見てくれないんです。妻に家計を見てくれというのは、罪でしょうか?」という50代男性からの質問。夫婦問題の専門家、岡野あつこさんの答えは?(聞き手/ダイヤモンド・ライフ編集部 吉岡綾乃)
家計を見てくれと妻に言うのは、罪でしょうか?
【Q:家計を見てくれと言い続けるのは罪でしょうか?
妻はいわゆる専業主婦ですが、結婚してから20年、一度も家計を見ることがありません。私は妻に家事労働を求めたことはなく、むしろ主夫と名乗っていいくらい家事をある程度請け負っており、それは苦でもありません。ただ、専業主婦の最大の仕事は家計の維持だと思うのです。こんな考え方はすでに古いんでしょうか?
結局、わが家で家計を見るのは主夫である私の最大の仕事になっていて、お金が足りない時はいつも自分の使うものを削ることになります。もちろん私は、「誰のおかげで食べさせてもらってるんだ!」などと妻に一度も言ったことはありません。(50代、男性)】
――結婚20年、50代男性からの相談ですが、「罪でしょうか?」というのは面白い質問ですね。
いや、罪ではないですよ。むしろ自然な感情だと思います。家計管理って家庭運営の要(かなめ)みたいなものですから、そこに不満があるなら話し合うのは大事ですよね。ただ、夫婦間のバランスや役割分担の背景をきちんと整理する必要があります。
――この方は、20年間ずっと家計を自分で見ていることに不満を持っていらっしゃいます。
そうですね。専業主婦の奥さんがいるのに、自分で家計を管理し続けている。しかも、自分の使うものを削ってまで調整している、という状況が苦しくなってきたんでしょう。恐らく、奥さんに「一度は家計を任せてみたい」という気持ちがあるけれど、なかなか切り出せないんじゃないですかね。