誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
自分とは違う価値観の人
今日は「価値観の多様性」についてお話ししたいと思います。
世の中には本当にさまざまな人がいて、自分には全然理解できないような言動をする人もいます。
自分の価値観と合わない言動に直面すると、拒否感や否定的な感情を抱いてしまいがちですよね。
いったん受け止めてみる
自分とは違う価値観を持つ人と関わったとき、「いろんな考え方があるものだ」といったん鷹揚に受け止めてみると、楽に生きられるのではないかと思うのです。
たとえば「遅刻」について、私は絶対にしてはいけないことの1つだと思うんです。それは私自身が「時間」をもっとも大切なものだと考えているからです。
時間は限られていて、増やすことはできません。その貴重な資源を相手から奪ってしまうというのは、とても大きな罪とさえ思うのです。
相手の損害を重視しない価値観
待ち合わせ時刻に遅れて相手の時間を無駄にすることで、本来、その間にできたはずのことができなくなるわけですし、その時間はもう二度と取り戻せません。
もちろん、やむを得ない事情で遅れることもあります。ただ、遅れないように「最大限努力したのかどうか」というのは重要なポイントだと思います。
少なくとも、遅れたことについて謝るべきでしょう。しかし、世の中には遅刻について「たいして悪いことではない」と思う人だっているわけです。
他人はみんな宇宙人
そんな人から実害を被ると、怒りの感情が湧いてくるのは自然なことです。しかし、そこで「この人は自分とは違う価値観を持っているんだな」といったん受け止めてみることも大事だと思うんです。
世の中に「常識」ということはありますけれど、それが万人に通じるとは限りません。実際には、それぞれちょっとずつ異なる背景や価値観を持っています。
周囲の人を「みんな宇宙人くらいに違う存在」と考えたほうが、むしろ楽に接することができるのではないでしょうか。
他人は違う星の出身者
私たちは、それぞれ違う「惑星」の出身者みたいなもの。私は「私星」、相手は「相手星」といった感じです。
それくらいの認識でいるほうが、価値観の違いに対しておおらかに向き合えるようになるでしょう。
多様性というのは、まさに自分とは違う価値観の持ち主と相対する場面で発揮されるべきだと思うのです。
価値観が違っていて当然
自分にはない価値観であっても、「この人にはこういう筋道の考え方があるのだな」と受け止めてみると、対処もしやすくなります。
さらに、相手にネガティブな感情をぶつける必要もなくなりますし、逆に「この人、面白いかも」と思えることだってあるかもしれません。
自分以外の人間はみんな価値観が違っていて当然。同じところが見つかったら、それはむしろ奇跡くらいに思っておいたほうが、幸せに生きられるのではないかと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。