どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場で出世するのは「お礼の仕方が上手い」人。出世する人の1つの特徴Photo: Adobe Stock

お礼の仕方が上手い人が出世する理由

 あなたは仕事でお礼を意識的に利用しているでしょうか。お礼はするだけでされた側は嬉しいし、する側も大きなコストがかからない非常にコスパの高いツールです。僕がメガバンクに新入行員として入社した頃は、勝手に新人歓迎会の予定が組まれていて、参加した翌日にお礼メールをしなかっただけで別室で先輩から詰められるという非常に理不尽な体験をしたことがあるのですが、今ではその経験のおかげもあって戦略的にお礼をするようになりました。

 出世する人は、お礼を戦略的に活用しています。ここでは、出世する人がお礼をどのように戦略的に使っているか解像度を高めていきたいと思います。

出世する人のお礼の内容

 お礼と言っても、ただお礼をするだけであれば誰でもできますよね。出世する人は、お礼の仕方が違います。

 まずは、お礼の内容です。お礼が上手い人は、お礼の内容がとても具体的です。お礼をされた側も、何に相手が喜んでいるのかが分かるため、この人には何をすれば喜んでもらえるのかを意識するようになります。

 加えて、特に相手に意識させたいときは、相手の記憶に残るようなお礼の品を渡します。社内であれば、なかなか手に入りにくい高級のお菓子を渡すこともありますし、社外であれば相手がタイムリーにほしいものをプレゼントします。僕が今でも記憶に残っているお礼の品は、お客さんのお子さんの誕生日が近いということで、出来る先輩が当時なかなか手に入らなかった「妖怪ウォッチ」を何とか玩具店を駆けずり回って手に入れて会食のお礼に渡していたことです。お客さんからはそれが大ウケして、その後は仕事の相談が他社よりも多く来るようになっていました。

お礼一つでパフォーマンスが変わる

 このように、出世する人はお礼をする際にお礼の具体性や相手の記憶に深く残るような努力をしています。お礼一つをとってもどれだけこだわるかによって仕事のパフォーマンスは変わっていきます。あなたもこれから誰かにお礼をする機会が巡って来た時には何に感謝をするのか、相手が何をされたら喜ぶのかを意識するようにするだけでコスパを高めることができるようになります。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による書き下ろし原稿です)