ギャンブルと違う投資では
利回りとリスクのバランスも重要

 まさに一攫千金の夢のような話ですが、宝くじに当たるようなことはめったに起こりません。万馬券になるような馬の人気が低いのは、過去の実績や実力から見て、勝つ確率が圧倒的に低いからです。よほど運のよい人なら別ですが、万馬券ばかり狙ねらって競馬にお金をつぎ込む人は、きっと損ばかりしているでしょう。

 投資もこれと同じで、利回りの高さだけで投資先を選ぶと、痛い目にあう確率が高くなります。利回りの高さとリスクの大きさのバランスを考えて、自分にちょうどよいものを選ばなければいけません。

 競馬のようなギャンブル(バクチ)は、ほとんどの人が趣味でやっています。「当たるかな、当たったらいいな」とドキドキしますが、競馬ファンは、そのドキドキにお金を使っているのです。また、競馬はスポーツとしての側面もあり、特定の競走馬や騎手のファンもたくさんいます。ですから、競馬ファンはいくらか損をしても「これも楽しみのうち」と受け入れられるのでしょう。

 でも、投資は生活に必要なお金をうまくつくることが目的です。競馬ファンのように「この商品が好きだから損をしてもいい」とか、「この金融機関のためなら少しぐらい負けてもいい」というような「金融機関ファン」という存在はちょっと聞いたことがありません。お金のあり余っている人なら投資も「趣味」レベルでやれるかもしれませんが、ふつうの人はギャンブルのように損を前提にした投資などやれません。大切なお金を守るために、常にリスクのことを頭に入れておくべきです。

もっとも危険なのは
「投資」を装った詐欺

 ただし、万馬券狙いのギャンブルのような投資よりも、もっと危険で悪質なものがあります。

 ギャンブルのように「運がよければ儲かる可能性があった」ならば、投資に失敗して損をしても、それなりにあきらめはつくかもしれません。大きなリスクがあることがわかった上で「万馬券」を狙ったのですから、自分の責任です。