藤井聡太とスティーブ・ジョブズの「意外な共通点」

　子どもたちは皆生まれながらに科学者であり、探求心を持っています。

　その興味の種を、型にはまった「良い学校、良い仕事」のためにと社会や大人が摘み取ってしまうことなく、目いっぱい芽を伸ばせる環境を作るのがモンテッソーリ教育の本来の姿なのです。

効果を調査した研究で判明
読解力や算数の学力が向上

　モンテッソーリ教育の効果を調査した研究は数少ないですが、そのほとんどは北米で実施されています。

　学校地区の無作為のくじ引きで、モンテッソーリ園とそうでない園に振り分けられた112人の5～12歳の子どもたちを比較しました。もともとモンテッソーリ教育を選んだ家庭をランダムに振り分けたことで、SESや親による背景因子をできるだけ一致させました。

　結果、モンテッソーリ園に通った5歳児の方が、モンテッソーリ以外の学校に通った子どもたちに比べて、読解力や算数の学力、自己調整能力＊2の一種である認知的柔軟性（変化に対する適応性）、社交性、他者目線の理解力が高いことがわかりました。

　また、モンテッソーリ園に通った12歳の子どもたちと、モンテッソーリ以外の学校に通った子どもたちを比べたところ、クリエーティブ・ライティング力（創造力を使って物語を書くこと）やいざこざに対する問題解決能力が高かったほか、コミュニティー感覚（クラスメートとのつながりに対するポジティブな意識や態度）がより強いこともわかりました。

　2017年に実施された似たような研究（4）でも、モンテッソーリ教育のポジティブな影響が報告されています。

　141人の人種もさまざまな子どもたちが3歳時に、コンピューターによる無作為のくじ引きによって、モンテッソーリの公立保育園かそうでない園に振り分けられました。

　研究に含まれたモンテッソーリの2つの園は、働く教員全員が国際モンテッソーリ協会（AMI）の教員免許を取得しているほか、伝統的なモンテッソーリ教育を忠実に提供しているAMI認定校でした。