自分は何も持っていない」「いつも他人を妬んでしまう」「毎日がつまらない」――誰しも一度は感じたことのある、やり場のない鬱屈した思い。そんな感情に寄り添ってくれるのが、クリープハイプ・尾崎世界観氏も推薦する『ぼくにはなにもない 愛蔵版』。この記事では、著者の齋藤真行氏に教えてもらった「ネガティブな気持ちを解消する方法」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

「仕事がつらい…」抜け出せない毎日を変える5つの突破口とは?『ぼくにはなにもない 愛蔵版』より

「仕事はつまらないし、給料も安い。でも転職できない」毎日から抜け出す

「仕事がつまらないし給料も少ないけれど、転職する勇気はない」という悩みは、現代の多くの人々が抱える共通のテーマだと思います。

この状況を打破したい人に向けて、考えるべきことや行動のポイントについて掘り下げてみます。

1. 本当に現状を変えたいのかどうか問う

まず自分自身に問いかけるべきは、「自分は現状を本当に変えたいのか?」ということです。

この問いに答えるのは簡単に思えますが、実はかなり困難なものです。

腹の底から「このままでは嫌だ」「どうしても変えたい」と思っているのなら、人は自然と行動を起こします。

一方で「現状に不満はあるけど、変える努力をするのはきついから、今のままでいい」という気持ちが無意識レベルで強い場合には、どんなに良いアドバイスや方法が提示されても、それに取り組むエネルギーは湧いてこず、モチベーションが続きません。

現状維持を望む気持ちは悪いものではありません。

危険を避け、安定を求める人間としての自然な反応です。

ただ、変わりたいと思う気持ちが本物であれば、その意思を明確することで行動を起こす原動力が生まれるのも事実です。

2. ゴールをイメージする

次に自分の人生が「どうなっていたら良いか」というゴールのイメージを持つことが必要です。

ただし、このゴールは現実離れした大きなものである必要はありません。

「月収が何倍になりたい」「海外で働きたい」といった壮大な夢でなくても、「少しゆとりのある生活がしたい」「自分がもう少し楽しめる仕事に就きたい」といった、小さなもので構いません。

重要なのは、ゴールを思い描いたときに心が温かくなるような感覚を持てるかどうかです。

「そうなったらいいなあ」という憧れの感覚が、行動するエネルギーになります。

3. 最初の一歩を小さく始める

大きな変化を求めることは素晴らしいですが、最初からすべてを変えることは難しいです。

特に仕事や生活スタイルといった長年続けてきたパターンを変えるには、時間がかかるのが普通です。

そのため、「最初の一歩を小さく始める」ことが非常に重要です。

「いつものルーティンを少しだけ変える」ことから始めてみてはどうでしょうか。

行動面:普段行くカフェやコンビニを変えてみる。

情報収集:いつも見るウェブサイトやSNS以外の情報源を閲覧してみる。

人間関係:話したことのない人と話してみる。

スキル:気になっていたスキルを少しだけ学んでみる(1日10分でも)。

こうしたごく小さな変化を繰り返すことで、自分が慣れ親しんだ「パターン」を少しずつ崩していくことができます。

変化に伴う最初の違和感や居心地の悪さを少し我慢して続けることで、こうしたひとつひとつが新しい自分の一部になっていきます。

(本記事は『ぼくにはなにもない 愛蔵版』の著者、齋藤真行氏が特別に書き下ろしたものです)