絶対NGポイント(2)
生産者の“顔が見えない”商品

 地方自治体がふるさと納税のルール違反で指摘されやすいのが、「地元で生産されているものではないものを提供する」という点である。このルール違反により、ふるさと納税の対象から外れる自治体も珍しくなく、納税者としては見逃せない点といえるだろう。

 返礼品は、提供する生産者がどんな人物・企業であるか、明示されているものを選ぼう。顔を出している人や企業は、返礼品の作り方やこだわり、地元の魅力などをサイト上に明示していることが多い。

 この、「顔が見える関係」の情報提供は、農業や漁業の関係者などがしばしば実施している。生産者側の返礼品の質に対する自信が明確に伝わるので、NGポイント1を避けることにもつながる。

 返礼品の生産者紹介のページがどのくらい充実しているかは、よく見ておくべきだろう。とりわけ野菜や果物、肉、魚などの生鮮品においては重要な点だ。逆に言えば、返礼品のページに具体的な記載がない場合は要注意といえる。特に地域の特産品でないものが掲載されている場合、なぜこの製品が認められているのかという説明がないものは避けるべきだろう。

絶対NGポイント(3)
食べきれない量を選んでしまう

 ふるさと納税の初心者がやりがちなミスとして、食べきれない量の生鮮品が一気に届く、「注文し過ぎ問題」がある。特に生魚やフルーツなど冷蔵や冷凍で届くもので、鮮度が大事な返礼品は多い。にもかかわらず、食べるペースが追い付かず、冷蔵庫や冷凍庫のキャパシティもいっぱいだと、せっかくの食べ物を腐らせてしまう。こうした事態は避けたいものだ。

 これを解決する手段の一つとして、「予約」や「先行予約」の活用が有効だ。先行予約は、全国四季折々のフルーツに多い。「せとか」や「甘平」といった高級柑橘、あるいは「佐藤錦」や「紅主峰」といったさくらんぼ、イチゴ、アップルマンゴー、シャインマスカットなど多彩だ。

 返礼品の中には、一般的に購入しようとしても手に入れることさえ困難な希少なフルーツもある。例えば、緑色の皮を持つキーツマンゴーや、貴重な国産バナナの島バナナ、黒いシャインマスカットとも呼ばれる「富士の輝き」など。これらはまさに、地域の特産を生かしたふるさと納税ならではのラインナップだ。

 このように希少で人気のフルーツも先行予約を活用すれば、うまく楽しめる。また、翌年の旬の時期に配送されるよう受け付けてくれるところもある。予約でコントロールすることで、一度に食べきれない量の返礼品が届くという事態を避けるのは、ふるさと納税の基本中の基本だ。

 ただし、寄附してからかなり時間がたって届くことになるため、後述する受け取り条件の記載や、自治体および返礼品提供者の連絡先を把握することも忘れないようにしよう。