日本に移住してきた中国人が、数ある職業の中で未経験の飲食店経営を選ぶ。これが、最近、ガチ中華の店が増えている大きな理由の一つである。しかし、なぜ未経験なのに飲食店経営にチャレンジしようと考えるのか?今回は、中国から日本に移住し、大阪で飲食店を営む2組の中国人家族の生の声を紹介したいと思う。

大阪・心斎橋のワンタン専門店「老季饂飩舗」

 最近、中国のSNSで、大阪のある飲食店が大きな話題となっている。上海出身の30代夫婦が経営するワンタン専門店の「老季饂飩舗」だ。「小紅書」(中国版Instagram )や「DouYin」(中国版TikTok)などのアクセス数は1000万回超にもなり、「とにかく、成功している」と在日中国人の間で評判だ。

 老季饂飩舗の店舗は大阪地下鉄御堂筋線の心斎橋駅から徒歩約3~4分の場所にある。約15平方メートルという小さな店舗で、カウンター席のみ。夜10時を過ぎても満席の盛況ぶりだ。店を切り盛りする夫婦は、気さくな笑顔で客と中国語で会話を交わしている。お客は全員中国人だったからだ。

日本に増える「ガチ中華」、中国人オーナーにエリートの飲食未経験者が多い納得の事情大阪・心斎橋のワンタン専門店「老季饂飩舗」

 ワンタンは上海を中心に非常に人気のある家庭料理で、四角い厚みのある皮で具材をしっかりと包み、スープと一緒に食べる。筆者も上海出身で、日常的に家庭でワンタンを作るし、ワンタンは大好物だ。ワンタンの味にはうるさいと自認している筆者だが、ここのワンタンはとてもおいしいと思った。そこで後日、改めて話を聞きに訪れた。

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日本に増える「ガチ中華」、中国人オーナーにエリートの飲食未経験者が多い納得の事情老季饂飩舗のメニュー