金利上昇時代に突入し、銀行の本業が復活し始めた。だが、どの銀行も業績が向上するわけではない。そこで銀行103行の3期半分の財務データから「本業利益率」を算出。ワーストランキングを作成した。特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#7では、北海道・東北の地方銀行を取り上げる。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
全国ワースト上位行が並ぶ東北地銀
きらやか銀行よりも得点が低い地銀は?
東北で、地方銀行の「1県1行」は進むのか――。
2025年1月1日に青森銀行とみちのく銀行が合併して「青森みちのく銀行」が誕生するが、東北6県には25年以降、依然として13行の地銀がひしめく。1県1行となるのは、青森県のみだ。
今後人口減少が加速するとみられる中で、山形県と福島県、岩手県など1県3行の乱立状態が続くとは考えにくい。27年1月1日には北都銀行(秋田県)と荘内銀行(山形県)が合併しフィデア銀行が誕生するが、他の地銀も再編は待ったなしだ。
東北圏内では、きらやか銀行(山形県)が取引先の倒産に備えた与信関係費用が膨らんだ影響で、24年3月期決算に244億円の最終赤字を計上。同行は公的資金200億円の返済を13年延期する事態に陥った。今後、救済型の再編が起こることも考えられる。
そこでダイヤモンド編集部は、北海道・東北の地銀が本業でどれほど稼ぐ力があるのかを調べるために、QUICKの協力を得て、「QUICK Finer Compass」の3期半分の決算データを基に本業利益率を算出した。
総合得点化の際に対象とした銀行は、メガバンクを含む大手銀行と地方銀行、第二地方銀行、埼玉りそな銀行、あおぞら銀行の計103行だ。金利環境の変化に適応できているかどうかを重視し、国内金利が上昇局面に転換した24年3月期以降の得点配分を2倍にしている。
次ページでは、北海道・東北の地銀「本業利益率ワーストランキング」を公開する。ワースト上位にランクインした地銀を見ると、都道府県単位で地銀の惨状が浮き彫りになった。