企業への貸し出しや手数料収益といった、銀行の本業の力を測る本業利益率。中部9県に本社を置く20地方銀行の本業利益率を算出し、数字の低い順に並べたワーストランキングを作成した。特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#11で、ランキングを公開するとともに、上位にランクインした各行の足元の業績を解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
中部9県20行の序列は?
本業利益率ワーストランキング
地方銀行98行を対象とした本業利益率ワーストランキングでは、10位以内に中部の地銀6行がランクインしている。きらやか銀行(山形県)が公的資金200億円の返済を13年延長したことから、東北地方が地銀にとって本業利益を得るのが難しい市場だと捉えられることが多いが、実は中部はそれ以上の厳しさがありそうだ(本特集#6『【地銀98行「本業利益率」ワーストランキング】富山勢が苦戦、一方で関東勢を押しのけてベスト3に入った九州・中国の銀行とは?』参照)。
そこで本稿では、中部9県の20の地銀を対象にした、本業利益率ワーストランキングをお届けする。
本業利益率の算出は、海外金利が上昇し始めた2022年3月期から25年3月期中間決算までの3期半を対象とした。24年3月期は国内金利が上昇したタイミングだったため20点を配点し、50点満点で点数化。点数の低い順に並べ、ワーストランキングとした。
対象の銀行はメガバンクを含む都市銀行と地方銀行、第二地方銀行、埼玉りそな銀行、あおぞら銀行の合計103行で、財務データはQUICKの協力を得て、「QUICK Finer Compass」から取得した。
20行の序列はどうなったのか。総合得点とともに見ていくと、中部の地銀、とりわけ北陸3県の深刻な状況が浮かび上がった。次ページで一挙公開する。