新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組#12Photo:PIXTA

利便性と生活密着を武器に金融サービスを提供するインターネット系銀行と小売り系銀行。預金獲得競争に有利とみられていたが、明暗が分かれていることが分かった。特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#12では、預金獲得額ランキングとともに、その背景を探った。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

ネット系と小売り系で
明暗分かれる預金獲得競争

 預金が収益を生む金利上昇時代に突入したことをきっかけに、銀行業界では四半世紀ぶりの預金獲得競争が繰り広げられている。

 その競争に最も有利だとみられていたのが、インターネット上でサービスを提供するネット系銀行だ。今や老若男女を問わず、ネット上で振り込みや送金、決済を行う時代になった。そこで重要となるネット上のサービスや使いやすさは、ネット系銀行が最も得意とするところだからだ。

 加えて、ネット系銀行は店舗を持つメガバンクや地方銀行と比べて、低コストで運営している。そのため、預金金利を機動的に引き上げられることも、有利に競争を進めるポイントになると考えられていた。

 実際、2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除すると、メガバンクが普通預金金利0.001%を0.02%へ引き上げることを決定したが、ネット系銀行はその上をいく0.03%へと引き上げた。

 また小売り系銀行は自慢の店舗網を活用し、生活に密着したサービスを提供し、利用者を増やしてきた。これも預金獲得競争には有利に働くとみられていた。

 ではマイナス金利解除から約半年が経過した24年9月までで、ネット系銀行と小売系銀行はどのくらいの預金を獲得したのだろうか。それを調べるために11行の23年10月から24年9月末までの預金獲得額を調べ、ランキングを作成したところ、明暗が分かれる結果となった。次ページでランキングを公開するとともに、その背景を探った。