上場地銀73行の2024年度第1四半期決算は、全体の8割が増益、赤字ゼロの好決算となった。23年度決算に続き地銀が好調だった要因は何か。さらにゴールドマン・サックス証券の試算を基に、7月31日の日本銀行の追加利上げが大手地銀の純利益に与える影響を公開する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
地銀1Q決算は絶好調
進捗率35%超が6割以上
8月14日に上場地方銀行73行の2024年度第1四半期決算が出そろった。最高益ペースの3メガバンクに負けず劣らず、地銀も好決算だ。
全73行の連結純利益は前年同期比14.9%増、うち8割超に当たる59行の最終損益が増益となった。
地銀の好調ぶりは、通期業績予想に対する進捗率からも分かる。進捗率が35%超の地銀は73行のうち45行に上り、進捗率35~38%の3メガにも引けを取らない。
なぜ地銀はこれほど好調なのか。次ページでは、上場地銀全73行の最終損益を、前年同期比の増益額が大きい順にランキングを作成。すると、北陸の第二地銀が1位にランクインした。他の上位の地銀と併せて、好調の要因を検証していく。
さらに7月31日の日本銀行の追加利上げに伴い、全国の地銀に普通預金金利と短期プライムレート(短プラ)の引き上げが波及した。地銀にとって、17年ぶりの短プラ引き上げは業績に大きく影響する。そこでゴールドマン・サックス証券の試算を基に、普通預金金利や短プラの引き上げが大手地銀の純利益に何パーセントの影響を与えるのかを公開する。