倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#43Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#43では、第20弾として、石川県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

石川県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
北國銀行、金沢信金が倒産させた企業は何社?

 昨年10月、石川県金沢市に本社がある物流会社、アペックスが経営破綻した。

 同社は、タクシー会社やスーパー銭湯など積極的なM&A(企業の合併・買収)で事業を拡大。それまで成長企業と見なされており、多くのメガバンクや地方銀行が優良な貸出先として融資を実行していた。

 しかし、粉飾決算の発覚で突然倒産した。負債総額は約92億円。石川県内で唯一の地方銀行、北國銀行は約40億円の債権の取り立て遅延・不能の恐れがあると発表した。地銀が扱う倒産案件としては大きな金額になる。

 粉飾決算による倒産は、アペックスにとどまらない。昨年はベアリング販売の堀正工業(東京都)に、医療器械商社の白井松器械(大阪府)……。近年、同様の事例が相次いでいるため、金融庁はメガバンクや地銀の融資規律の緩みを警戒している――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第20弾の今回は、石川県の金融機関を取り上げる。北國フィナンシャルホールディングス傘下の北國銀行のほか、金沢信用金庫など信用金庫も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが埼玉県の銀行なら、埼玉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他の金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の石川県の結果を確認していこう。