73もある地銀上場株は投資対象の絞り込みが難しい。そこで、特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#16では、二つの指標から「割安な金持ち地銀ランキングベスト25」を作成した。益出し余力がありながら株価が割安な地銀リストをお届けする。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
上場73地銀を2指標で評価
投資妙味のある“格安地銀”を抽出
地方銀行の中には、莫大な有価証券の含み益を抱える“金持ち地銀”が存在する。
有価証券の含み益の水準は、「益出し余力」で測ることができる。益出し余力とは、銀行が保有する株式や債券などの有価証券評価損益(含み損益)をコア業務純益で割り、銀行が本業で稼ぐ力の何倍の含み損益を抱えているかを示す指標だ。
益出し余力の数字が大きいほど、現金化できる有価証券が潤沢にあり、将来のPL(損益計算書)へのプラス影響が期待できる。片や、過大な含み損を抱える地銀は、その有価証券の売却で、突如として売却損を計上する可能性もある。
つまり、益出し余力が大きければ将来の純利益の上振れや株主還元が期待しやすく、逆もまたしかりだということだ。
そこで、日本資産運用基盤グループ(JAMP)の協力を得て、25年3月期第2四半期決算を基に、上場地銀73行の益出し余力を算出。さらにPBR(株価純資産倍率)を加えた二つの指標を設定し、総合得点で全73行のランキングを作成、総合得点の高いベスト25を掲載した。
総合得点の計算の際は、益出し余力が高いほど得点を高くする一方、PBRが低いほど得点を高くした。次ページで、益出し余力が大きいにもかかわらずPBRが低い“格安地銀”ベスト25を公開する。