初めに残念なお知らせです。本校は志願者が定員を満たさない状況が続き、昨年度、大阪府立高校再編整備計画の対象校となりました。その結果、令和5年度には新入生を迎えますが、その後は入学者選抜を行わず、○○高校に機能統合されます。そして、令和5年度の新入生が卒業する令和8年3月末をもって、閉校となることが決まりました。学校の存続は今後3年間ですが、それまでの間、これまでの教育内容や教育環境が低下することのないように、教職員一同最大限の努力をしてまいります。あわせて、生徒に寄り添い、丁寧に支援指導してまいります。 (2023年4月。当該校のホームページより)

小中でのつまずきを
カバーしてくれる高校が消える?

 再編整備の対象となった「エンパワメントスクール」3校のうち2校は、2024年度に教育課程を大きく改編して再出発することになった。この学校は「義務教育段階までに学校生活での困りやつまずきを経験しながらも、高校生活をとおして、就職や進学をみすえ、基礎的な学びや、地域と一緒に体験的な学びにチャレンジできる学校」であり、「多様な教育実践校(ステップスクール)」と呼ばれている。これらの高校が生き残れるかどうかは、予断を許さない。

 2023年度からの高校再編整備計画では9校を募集停止とすることがすでに決まっている。名指しこそされてはいないが、定員割れが続いている高校が募集停止の候補であることは間違いない。セーフティネットであるはずの高校が教育課程の大幅な見直しを迫られたり閉校の危機に陥ったりしている。これらの学校では、生徒に落ちついた教育環境を提供することができなくなりつつある。

 高校の再編にあたっては、本来なら進路のセーフティネットを守りつつ公立・私立全体で入学者定員を少しずつ削減していく工夫が必要だったはずである。しかし、再編は生徒の「自由な選択」と学校間の競争に委ねられた。

 その結果、公立高校では事実上の統廃合が進み、学力や生活に不安を抱える生徒たちの進路の見通しは不透明になりつつある。