「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
歴史好きが強い?
リーダーたちが戦国時代から学ぶ理由
これまで仕事を通じて、多くの経営者・中間管理職・チームリーダーとお会いしてきましたが、成功して多くの人に尊敬されているリーダーほど、歴史に興味をもっていることが多い印象です。
それは、リーダーとして日々悩むなかで、目指すべきリーダー像を歴史から学ぼうとする人が多いからではないかと思います。
私自身、幼いころから歴史に学んできたことで、仕事における人付き合いで役立つことが多かったです。とくに多くの人が興味を抱く戦国時代や幕末、そのときのNHK大河ドラマを深掘りするのは、共通の話題として“大きな武器”になっていると感じます。
クライアントが語る
好きな人物で深まる信頼関係
クライアントが好きな歴史上の人物について話すと、単に話が盛り上がるだけではなく、その人物を通して大切にしている考え方や価値観などを共有することができます。
たとえば、二宮尊徳を尊敬している経営者であれば、尊徳が提唱していた「報徳仕法」にある「勤勉」「至誠」といった考え方を大事にされていると理解できます。また、織田信長を尊敬している経営者であれば「革新的な志向が強いのかな」と推測できます。
このような理解や推測は、経営者とのコミュニケーションを円滑にしてくれるのです。
経営者が熱中する
歴史上の人物が教える成功哲学
歴史を通じて親しくなった経営者から、ほかの経営者を紹介してもらいコンサルティングの仕事をいただいたことは何度もあります。
私が勤務している小宮コンサルタンツでは、経営者を対象とした合宿セミナーを開催しているのですが、以前の合宿で私は、内村鑑三著『代表的日本人』を底本に、本書にも登場している上杉鷹山・二宮尊徳・西郷隆盛などの話をしたことがあります。
歴史が信頼をつくる
リーダー層に響く話題とその実践法
手前みそではありますが、このときの話は好評を得て、あれから数年たっても、「あの合宿セミナーでの歴史の話はとても役に立ちました」と言ってもらうことがあります。
歴史や歴史上の人物の話題が、リーダー層との架け橋となり、大事にする考え方や価値観などを確認することができます。
これはかなり実践的なビジネススキルではないかと思っています。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。