食材を腐らせるくらいなら
宅配を使ったほうがいい

「常識にとらわれない」という点では、食事のとり方でもそれが言えるかもしれません。

 一般的には、「節約して食費を浮かせたいなら、外食したりおそうざいを買ったりするのはもったいない。自炊するのがいい」という認識が強いかもしれません。ですが、人によってはそのやり方が合わない人もいます。

 Mさんは夫とのふたり暮らしです。「自炊をしなければ!」「何かつくらなきゃいけない」という思いから、スーパーに行っては「あれも買っておこう。これも必要になるかもしれない。これは何かのときに使えるかも」と張り切って材料を買い込んでいました。けれど、いつも大量に買いすぎて結局使い切れず、余らせたり腐らせたりすることが多く、食費は非常にかさんでいました。

 Mさんはそれほど料理が好きなほうではなかったのですが、「毎食、きちんとつくらなければいけない」という思いが強く、それが非常にストレスにもなっていました。

 そこで、思い切って宅配のミールキットを定期的に利用することにしました。朝と昼は家にあるもので適当に済ませ、夜は宅配ミールキットを利用。これなら、材料を余らせることもありません。すでに夕食の献立は決まっているから、スーパーに行く回数も減りますし、余計なものを買う必要もなくなりました。また、夕食をつくらなければいけない、献立を決めなければいけないというプレッシャーや、忙しくて買い物にも行けない。どうしようというストレスもなくなりました。

 その結果、食材のムダはほとんどなくなり、食費もかなり減ったのです。「宅配を使うほうがお金がかかる」が一般的ですが、Mさんの場合は違いました。「何をつくるかわからないから、とりあえず買っておこう」がなくなったことで、ムダな出費を抑えることができたのです。さらに、「また食材をムダにしてしまった」という罪悪感を覚えることも減ったので、Mさんは気持ち的にもとても楽になったそうです。

「食費を節約するなら自炊するのは当然」という風潮もありますが、自分に合った方法を取ることでお金を浮かせることはいくらでもできるのです。