「低金利を続けると、物価上昇率が2%を上回って加速する可能性がある」と日銀植田総裁が12月25日に経団連会館で講演しました。この言葉からもわかる通り、米国の次期トランプ政権を見極めながらも、来年は金利上昇の本格的な年になる可能性があり、それに対して準備する必要があります。
それは、住宅ローンを「変動型」から「固定型」に変更するタイミングを待っているだけではありません。賢い人は金利上昇メリットに注目して、「毎月の払い込む額が減る」「受給額が増える」「控除額も増える」と喜んでいるケースもあります。果たして何故でしょう。
来年の金利上昇に備えよう
見直すのは住宅ローンだけでいい?
金利が上がると住宅ローンなどの借金の返済額が増えるため、多くの人が住宅ローンを契約した金融機関に駆け込み、「変動型」から「固定型」に変更しようとするでしょう。ただ、伊藤慶一郎さん(仮名・49歳)は、それだけではありませんでした。
「変動型」と「固定型」の金利の差は1~2%です。数千万円の借金がある場合、1%の差でも年間数十万円、長期ローンだと返済総額には大きく差が出ます。しかし、物価高の中、毎月返済額を増やすことできないし、返済期間を短くしたり、ボーナス時に多めに返済したりすることも難しい……。伊藤さんは、これ以上の対策はとれませんでした。そして、現時点では変動型で計算したほうが返済総額は少ないので、固定型への変更のタイミングを見計らうことにしました。
ただ、その間伊藤さんは、ぼ~っとタイミングを待っているだけではありませんでした。伊藤さんは頭を切り替えて、返済方法だけに注目するだけではなく、将来の蓄えになる資産運用についても考えることにしたのです。
伊藤さんが考えついたことは、結果的に物価高対策になり、所得控除にもメリットがあったのです。果たして、それは何でしょうか。