新NISAで圧倒的な人気の「オルカン」。実際、オルカンに代表される全世界株型インデックス投資信託は、新NISAで買う“キホンの1本”としてオススメです。しかし、超低コストの投資信託はオルカンだけではありません。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2025年度版』から、全世界株型インデックス投資信託の低コスト最新ランキングと、買う際の注意点を紹介します。

最安は「楽天・プラス・オールカントリー」
ただし買えるのは楽天証券のみ

 新NISAで圧倒的な人気を誇っているのが「オルカン」、つまり「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。

 オルカンは全世界株型のインデックス投資信託です。魅力はまず、1本で世界中の株に丸ごと投資できること。そして、コスト(信託報酬)が安いこと。なるべく広い範囲に分散投資する、という投資の基本にピッタリ合い、初心者や投信は1本で済ませたい人に最適です。

 しかし、超低コストの投資信託はオルカンだけではありません。オルカンと同じ、全世界株型インデックス投資信託の最新の低コスト(信託報酬)ランキングをチェックしてみましょう。

全世界株型インデックス投信の低コストランキング※「指数」は連動する指数(ベンチマーク)、記事の下の表を参照。信託報酬は税込・年率。純資産額と基準価額は2024年10月11日時点。販売会社のauカブコム証券は2024年2月より三菱UFJ eスマート証券に社名変更。*「PayPay投資信託インデックス世界株式」の運用会社はアセットマネジメントOneに変更予定 拡大画像表示

トップ10内の投資信託なら買替えの必要なし
何本も買っても意味はなく1本だけでOK

 1位は、「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」。オルカンは僅差で2位となっています。

 ただし投資信託は、金融機関(証券会社や銀行など)によって取扱いの状況が違うことに注意しましょう。「楽天・プラス・オールカントリー」は楽天証券でしか買えません。一方でオルカンは多くの金融機関で取扱っています。その意味で万人向けのオススメ投資信託といえます。

 もちろん、楽天証券にNISA口座をつくっていて、これから全世界株型のインデックス投信を買う人が、「楽天・プラス・オールカントリー」を選ぶのはアリです。しかし、信託報酬の差はごくわずかで、すでにオルカンを持っている人が、わざわざ買替えるほどではありません。ランクインしている、他の投資信託についても同様です。

 インデックス投信とは、株式市場全体あるいは一定のグループの値動きを示す「指数(インデックス)」に、成績が連動するタイプの投資信託。わかりやすくいえば、“市場全体”に投資するものです。オルカンなど多くの全世界株型は、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動します。連動する指数が同じなら、“中身”(運用内容)もほぼ同じ。成績に差を付けるのは、「信託報酬」というコストです。したがって、なるべく低コストの投資信託を選んだほうがいいのは確かです。

 しかし、0.01%台の信託報酬の違いが成績に与える影響は、誤差の範囲。目安として信託報酬に0.1%以上の差があれば乗換えを考えるべきですが、違いがそれ以下なら、あまり気にしなくていいでしょう。

 それよりも、全世界株型の“中身”を知っておくことのほうが重要です。オルカンで見ると、投資先の内訳は米国66%、日本5%、その他先進国15%、新興国10%となっています(2024年11月末時点)。ちなみに、全世界株型インデックス投信を何本も買っても、意味はありません。中身はどれもほぼ同じなので、それで分散の度合いが上がるわけではないからです。どれか1本を買えば十分です。

 なお、全世界株型インデックス投資信託には“日本を含む”タイプと“日本を除く”タイプがあります。「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」などが後者の例です。日本の個別株やアクティブ投資信託を持っている人には、“日本を除く”タイプがオススメです。

 もっとも、“日本を含む”タイプも組入れ比率は5%程度で、成績の差は大きくないため、“口座をつくった金融機関で買えるほう”でも構わないでしょう。

全世界株型インデックス投信の主な指数※成績のデータは2024年9月末時点 拡大画像表示

※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2025年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。