世界の大手銀行はここ数年で急成長を遂げたが、上昇過程には波乱もある。2025年には巡航速度に入り、リラックスできるかもしれない。米連邦準備制度理事会(FRB)は最近、インフレ率が予想以上に高止まりする中、今後1年間の利下げ回数が2回にとどまる可能性があるとの見方を示し、株式市場は全般的に売りが優勢となった。しかし、金利が「より長期にわたってそれほど高くない水準」にとどまることは、実際には銀行にとって朗報だ。大手銀行を構成するほぼ全ての事業部門にとって、2025年が良い一年になることを示す新たな兆候となる。ここ数年はそうではなかった。金融機関全体が好調だった時期でさえもだ。2022年には、新型コロナウイルス流行が最も深刻だった時期の生産停止後に続いた世界貿易の大幅な回復により、シティグループ、HSBCホールディングス、BNPパリバといった取引に焦点を当てた仲介業者の収入は急増した。ロシアのウクライナ全面侵攻と金融引き締めサイクルの開始を背景に、世界中で金利、為替、エネルギー価格をヘッジする需要が突然高まり、債券・通貨・商品(FICC)取引部門の顧客フローは急増した。JPモルガン・チェースやドイツ銀行などが大きな恩恵を受けた。
2025年、大手銀行に素晴らしい一年となる理由
成功と試練の数年を経て、銀行はついに全部門で好調に推移する可能性
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