「仕事で結果を出せない人に共通する“入社理由”があります」
そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。
その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。発売たちまち重版し、“きれいごと”抜きの仕事論に、社員からは「もっと早く知りたかった!」、経営者からは「よくぞここまで書いてくれた!」と、SNSでも多数の感想が投稿されるなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「仕事を頑張る理由の考え方」についてお伝えします。
「人」に憧れて入社する人たち
「私も、あの人みたいになりたい」
働いている「人」に憧れて入社した、という人もベンチャーにはいます。
友人に誘われて入社したとか、お世話になった先輩に誘われたとか。はたまた人事担当者の印象が良かったとか。
最近ではSNSのフォロワーが多かったり、メディアによく登場したりする「名物社員」がいるような企業も少なくありません。
そういった人に憧れて入社し、「あの人みたいになりたい」「あの人のために頑張りたい」と、目標に掲げる人も珍しくないでしょう。
「優秀な人」ほど去っていく
ですが、「人」を頑張る理由にしてはいけません。
なぜならベンチャーは人の入れ替わりが激しいからです。
3年もいたら「古株」と言われるようなベンチャーもあります。
結果が出なかったために去っていったり、会社がブラックだったり。そういったネガティブなケースもありますが、結果を出して他の企業にステップアップ転職する人も少なくありません。優秀な人や結果を出した人ほど去っていきやすいのも、ベンチャーの特徴です。
面接してくれた先輩社員や人事担当者に憧れるも、入社するとすでにいなかった。
これも少なくありません。
何を隠そう私自身、そんな経験をしました。
新卒で入ったインテリジェンスの人事の方はとても素晴らしい先輩でした。
憧れを抱いて入社しましたが、私が入社したときにはすでに退職していました。
さらには「この人のような姿を目指そう!」と決めた先輩も、その後すぐに独立してしまいました。
正直、微妙な気持ちになったのを今でも覚えています。
「人」ではなく「仕事」と向き合おう
どんな企業であれ、どんな人であれ、いつ辞めるかはわかりません。
「人」が動機になっている人は、どこかのタイミングでその人との別れが訪れた際に大きな喪失感とモチベーションダウンを経験することになります。
結果を出す人は、不確定要素にモチベーションを委ねることはしません。
人に憧れて入社したとしても、最終的に向き合うべきは「仕事」でなくてはいけないのです。
(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)