投資は経験と勉強が必要な世界。「定年後」「退職金が出たら」などと思わず、少しずつ試して、小さな失敗を経験することが、大きな失敗を防ぐコツです。

ただ貯めるだけでなく
有意義に使うことも大事

 最近、「残高0円で人生を終えるのがいい生き方」という話を耳にしました。

 ここまで極端ではないにせよ、死後にお金を遺すべき人もいないので、お金を貯めるだけでなく有意義に使うことも考えています。倹約生活の中でも趣味のひとり旅は楽しみたいし、生活が便利になる家電も計画的に購入したい。今の生活が楽しくなることへの出費は、自分への投資と考えています。

 また、思わぬ出費が必要になったときでも、ポンと気持ちよく支払えるように準備をしています。親の介護費用は基本的には親のお金から出してもらうようにしていますが、母親は年金生活で資産も多くはありません。いざというときのお金は私が用意しておかねばならないと、月々積み立てをしています。

 母親は80代後半でいつなにがあるかわからないので、必要なときに利用できるように今は現金多めの資産形成を続けています。

 自分では堅実に分散投資をしているつもりですが、親兄弟からは「株なんてとんでもない」と眉をひそめられたことも。「お金に働いてもらう」作戦は不評でした。株で得たお金で、欲しいと言われた家電をプレゼントしてイメージアップを図りつつ、「今は銀行に預けても増えないよ」と啓蒙中です。

 お金が貯まることは喜びですが、自分のやりたいことのためにはためらわず使いたい。そうできたなら、少ないお金しかなくても豊かに暮らせる気がするんです。